【箕面市】2020年8月12日で日航機墜落事故発生から35年目。事故後の遺族を綴った絵本、「パパの柿の木」が箕面市の高校生たちの手で英訳されました。
1985年8月12日(月)、乗客・乗員524名を載せた日本航空のボーイング747型機が、群馬県の御巣鷹山の尾根に墜落するという航空事故が発生しました。
JAPAN AIRLINES 公式ホームページ 安全啓発センター JA8119 御巣鷹山事故(123便事故)
乗員・乗客524名のうち、520名が亡くなり、4名の方が重症を負いながらも救助されました。
2020年8月12日で、事故発生から35年を迎えますが、単独機の航空事故の死亡者数としては2020年7月時点で世界最多だそうです。
日航機墜落事故後の遺族の様子を描いた、「パパの柿の木」という絵本が、箕面市内にある関西学院千里国際高等部の生徒達の手で英訳され、絵本として出版されました。
英訳版のタイトルは「MY PAPA′S Persimmon Tree」です。
「まちこ こども達をよろしく。」と遺書を残され、事故機に搭乗してたご主人が、子ども達に食べさせたいと5年前に自宅に植えた柿の木が、亡くなられた年の秋に初めて実をつけました。
遺族であり、絵本の著書である谷口真理子さん(箕面市在住)は、「パパに見守られているみたい。」と感じたそうです。
「パパの柿の木」は、毎年実をつける柿の木に励まされながら懸命に生きる家族の様子を、当時小学校3年生だった次男の視点で描いたもので、2016年に出版されました。
翌年、関西学院千里国際高等部の命の重みを考える授業で、谷口さんが招かれた縁から、谷口さんが生徒に翻訳を依頼し、英語版が完成しました。
関西学院千里国際中等部・高等部 ホームページ 日航機事故後の家族描く 遺族の絵本を英訳
生徒たちは、箕面市J-POP大使、北川たつやさんが、絵本を基に作詞・作曲した歌「茜空(あかねぞら)」の英訳にも取り組んでいるとのこと。
今年は、新型コロナウイルスの影響で、8月12日に行われる追悼式が大幅に縮小されるようですが、7月21日に谷口真理子さんと北川たつやさんは、御巣鷹山の慰霊登山をされ、絵本の英語版が完成したことを報告されたとのことです。
「パパの柿の木」の絵本を通じて、日航機墜落事故が風化することなく、命の大切さや家族を想う気持ちなどが語り継がれていくことを心から願います。
関西学院千里国際中等部・高等部